薬剤師を楽しもう!

お薬手帳の算定率、持参率

4月の調剤報酬改定から約4ヶ月が経ち、新しい算定条件にも慣れてきたころと思います。
予想どおりの部分ですが、今回改定された内容で、
調剤基本料25点算定(受付2501~4000回、集中率90%以上)と、
後発医薬品調剤体制加算1(ジェネリック55%以上で18点)が算定できない影響は、
かなり大きいというのが実感でしょうか。
個店単位では、どちらも影響しないようなケースでは横ばい、微増の店舗もあるようです。
大手の調剤チェーンでは、売り上げ減を逆手にとって、「調剤基本料が安い(低い)店舗」として
堂々とポスターやのぼりで、アピールしているところも出ていますね。

さて、薬剤服用歴管理指導料の41点と、手帳なしの34点の算定状況、
実際の手帳持参率はどうでしょうか? 自分の感覚ですが、お伝えしてみようと思います。
まず、薬手帳の有無で会計に差が出るようになり、改めて手帳は不要という方も出るようになりました。
以前より不要と言っていた方含め、だいたい10~15%くらいの方が、不要といわれるかなと思います。
ただし、当初は手帳ありでよいという方が、「やっぱりいらない」と言われるようになるケースも
時々あります。
それについて、報道やネット、ツイッター等でささやかれているようなひどい言われ方は、
私はまだ直接はされたことはないですが。
例の薄い手帳で渡すようにすれば、高い店舗では90%程度、低い店舗でも80%台の41点算定は
可能という感覚でしょうか。

次に、実際に手帳を忘れずに持参してもらえる率ですが、
4,5月よりも6,7月になり明らかに下がってきたと思います。
現状では、50~60%くらいかなと思いますが、
4月以前はもっと低い店舗(30%台)も多かったでしょうから、
持参するようにと声を掛けた効果か、また薬局に薬手帳という物自体は
それなりに浸透したのかなとも思います。

今後の課題ですが、月並みではありますが持参だけではなくて、
記入内容の充実や、利用活用方法の周知がより重要とは思います。
医療機関ごとに使い分け、複数の手帳を持っている方や、
肝心のシールを一部貼っていない方なども結構いらっしゃいますね。
ただ、私が勤務している地域の近くの中核病院が、
いまだに薬手帳対応してもらえないのは、薬手帳の意義を説明するのにとても困るものです。

また、電子化されたお薬手帳もいろいろ試行が始まっていますから、
使い勝手のみならずセキュリティも含め、取り組むことは必須になるのでしょうか。
個人的な体験から言うと、医療で電子化というのは表面上は進むが、
(患者側にとって意味のある)活用、利用、便利化は、利害が絡んで進まないという印象はありますが。
そういう点にも薬剤師の知恵が生かせないのかなと思います。

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