薬剤師を楽しもう!

お薬手帳のモヤモヤ

今回の調剤報酬で、お薬手帳を持参されなかった方には、
薬剤服用歴管理指導料は41点から34点(7点減)で算定することになりました。
それに関連してなんだかすっきりしない、モヤモヤするような話がありましたので、ここに紹介します。

まず、お薬手帳持参がなく34点算定した方へ、手帳用のシールだけの交付は止めたほうがよい、
という話がありました(まったくお薬手帳不要だという方にはシールも渡していませんが)。
確かに「シールだけ渡した場合には34点」とはありますが、
シールを渡さなければならないとは書かれていません。
シールだけを渡すとよくない理由として、
「手帳は提示せずにシールだけもらって手帳に貼って、値段を安くする」
「手帳をしっかり持ってくる人に不公平感が生じる」ということのようです。

それって、たまたまお薬手帳を忘れた人が、次回来局までにほかの医療機関に行く場合には困るのでは?


手帳を持ってこない人に簡易型の薬手帳を渡して41点を算定する、というのは
患者で診療報酬のことが少しわかる方ならモヤモヤするところ(というか怒られる話)だと思います。
この話は、今回の調剤報酬改定の内容が公表されて以降、ずっと続いている話です。
自分の薬局ではそのような形はしていなかったのですが・・・

確かに厚労省のQ&Aにおいても、「手帳とは言えないもので渡すと34点」
「持参忘れに対して新しい手帳を交付した場合には41点算定できる」ということがあります。
じゃあ、薄くない通常の手帳を渡せばよい、と。
お薬手帳を持ってくるのが2回に1回位の患者(結構いらっしゃいます)に、
忘れる度新しいお薬手帳を渡せばよいのでしょうか?
後で整理して1冊にまとめれば、それでよいものなのでしょうか?


新規手帳で41点算定できるという説明がわざわざあるのは、
(上記のような)シールだけ受け取るという不正?への対応、
手帳を忘れたとしても他の医療機関で併用薬をチェックできるようにするため、なのだと。
だから手帳を忘れた人に対しても、41点算定できるよう薬局は取り組むべきだと。

そう言い切られればそうなのかもしれませんが・・・
お薬手帳の持参率を上げ、41点を算定できるよう努力することは、当然でしょう。
どうやって持ってきてもらうか、そしてどうお薬手帳の重要性や利便性をアピール・理解してもらうか
への努力は分かるのですが。
モヤモヤしているのは私だけでしょうか。
この話は患者側、一般消費者側からはどう見えているのでしょう?

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