薬剤師を楽しもう!

登録販売者試験の不正について思うこと

スーパーの西友で、登録販売者試験の受験に不正があったと報道されています。
会社側の説明として、書類を作成した店舗側が正しい申請をしていなかったとか、
事務的な手続き・チェックミスだとしているようです。

薬事法では薬局や店舗販売業は薬事に関する法律違反があった場合には、
行政処分として許可の取り消しや営業停止を命じられます。今回は該当するのでしょうか?

行政処分は、薬局に対し調剤過誤や無資格調剤などで今でも時々聞きますが、
市販薬の販売業に関しては大して報道もされないものですが、以前の一般販売業で、
14日間の営業停止という事例を数例聞いたことがある程度です。
「店舗改装のため休業中」と張り紙があり店が閉まっていましたが、実は営業停止期間中だった...
なんてこともありました。

さて、今回の事例では、該当者の登録販売者資格は取り消されることにはなりますが、
医薬品販売業として不正があったということではないようで、
会社全体や店舗に対し罰則は取られない方向のようですね。

今回、会社側は組織的に行ったことではないとしていますが、
薬局でいう開設者(会社組織)が受験資格を認めて受験するのですから、
意識的にチェックしていない・組織的に見逃しているのでは?と疑われてもおかしくないと思います。
法律を軽視しているのか、充分に薬事法を理解しておらず、開設者としては不適切とも感じるものです。

消費者や顧客の立場から会社としての姿勢を疑われるのは当然とは思いますが、
それだけではなく、一旦合格となって働いている従業員にも迷惑をかけているはずです。
西友のプレスリリースでは、従業員の雇用は継続し今後もできる限りの対応をすると、していましたが、
例えば合格後転職し別の会社で資格を使っている方がいるとしたら?
資格が必要な職場に生活がかかった転職をしていた人がいたら?

いくつかの県では問題と解答が公開されており、
薬剤師の方も一度登録販売者の試験問題を解いてみると面白いと思いますが、
実際に市販薬を販売している薬剤師でも間違えそうな問題もあります。
一旦は合格した試験であっても、再度受験となればそれなりに勉強をせねばならず、
毎日働きながらでは大変なことでしょう。

働く側の身としては、法律を軽視していたが故に従業員も守れなくなる、
という事態は避けて頂きたいものです。

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