薬剤師を楽しもう!

身だしなみは志を表す!

年末に向け、薬学部では共用試験のCBT・OSCEに向けて準備に余念がありません。
特にOSCEは実務実習に向けた実技試験ですから、学生全員に一定レベルの調剤手技や
コミュニケーション能力を身に付けさせるため、事前実習にはかなりの労力が注がれます。 

この事前実習では現場で働いている薬剤師さんに指導薬剤師として参加をして
もらうことがあります。 貴重なお休みを犠牲にし、後進の育成のために参加して
下さる熱心な薬剤師さんばかりなのですが、中に僅かですが、身だしなみが
「う~ん?」という方がいます。
さすがにこの時期ですからTシャツに短パンはいませんが、よれよれのジーパンに
綿シャツやトレーナー、汚れたスニーカーですとか、逆に「これからお出かけ?」と
想像させるようなばっちりメイクでコロンの香りを振りまき、ヒールの音を
響かせるような方、かなり色を落とした茶髪。 
実は指導薬剤師を依頼する際に「身だしなみにはご配慮を」と一文を添えているのですが、
たぶん普段勤務されている恰好で来ているのでしょう。

学生には日ごろから身だしなみについて厳しく指導しているので、
そういう方が参加されると取り繕うのが大変です。 
そういえば、学術会議に出席した時にも、薬局薬剤師さんのラフな格好が目につきました。 
大学関係者であれば教員はもちろん、学生もスーツを着用しております。 
病院関係者も圧倒的にスーツの方が多いのですが、薬局関係者は逆にラフな格好の方が
多いようですね。 綿パン、柄物のシャツにジャケットを羽織る方は良い方で、
先日はジーパンにTシャツ、クロックスという強者を初めて見ました。 
様子を見ているとそれなりにお偉いさんと話したりしているので、ある程度の立場に
いる方らしいですが。 何よりも不思議なのは、周りと自分を見比べて、違和感を
感じないのか?と言う事です。(誰か教えてあげれば!と心の中でツッコみましたが) 

外見を良くすればよい!というものではありませんが、
「身だしなみは礼儀であり、志を表すものである!」と
大学時代には先輩やゼミの教授から厳しく言われたものです。 
貴重な発表をしてくれる方に、また自分の発表を聞くために足を運んでくれた方に
敬意を表すために身だしなみを整えると言うのは常識と思っていました。 
ラフな格好に「何らかのポリシー」があるのかも知れませんが、
それは周囲の人には分かりません。 
一緒にいた学生がぽつりと「薬局の薬剤師さんは常識が無い人が多いですね」と
つぶやきました。 患者さんも同じではないでしょうか。 
医療機関に行くと言うのは極端に言えば自分の人生(健康)を託しに行くわけです。 
そのような思いを受ける薬局として、薬局に勤務する薬剤師として、
清潔感のある服装に印象の良い化粧や髪型など、身だしなみをきちんとするのは、
TPOを考えると言う以前に、薬剤師業務への矜持であり、心意気であると思うのは、
頭が古い(硬い)のでしょうか?  

身だしなみを改めない学生に「君が40℃の高熱で息も絶え絶えで処方せんを持って
薬局に行った時に、君のような恰好をした薬剤師が出てきたらどう思う?
安心して処方せん預けられる?」と尋ねると「嫌かも知れない」と答えました。 

私の考えもあながち古い考えでもないようです。  (関西のなんちゃって教員)

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