薬剤師を楽しもう!

あぶなかった!

じとじとじとじと・・・。本当によく降りますね。
梅雨だから仕方がないのでしょうけど、どうも気分も体調も滅入り気味です。


先日、薬局にサプリメントをお求めに患者さんが来られました。
「なんか肝臓が悪いらしいのよ。」
「体調は?疲れやすかったりしますか?」
「いいえ、そんなことはないんだけどね。これ・・・肝臓にもいいってあるし・・おいくら?」

彼女のペースに乗せられて、「はいはい。○○円ですよ。」
とやり取りをして、お金も頂いてから・・・・はっ!!!


「肝臓・・・?数値いくらって病院で聞きました?」
「えっとね。400くらいだって。」
「どうして肝臓が悪くなったんですか?以前から?」
「いいえ。水虫の薬の副作用だって言われたの。」

・・・・!!!
「申し訳ありませんが、そのサプリメントは今、飲まない方がいいと思うんです。それだけでなく、肝臓の数値が戻るまで、他のサプリメントも控えた方がいいですよ。お金はお返しいたしますので・・」
「え?そうなの?肝臓にいい、ってあるから飲んだほうがいいと思ったわ。」
「サプリメントだって肝臓を通過してるんですよ。お薬で痛めた肝臓をこれ以上疲弊させることはないと思います。ごめんなさい。最初に気がつけばよかったのに・・ダメですねえ^^;ほんとすいません。」

そんなやり取りのあと、患者さんに返金をして、サプリメントは戻していただきました。

あぶないあぶない。

ふと、思いました。
今、私は人対人として、コミュニケーションをとったからこそ、この間違いに気がつきました。
薬剤師という知識を持った「人」が患者という「人」に対応したからこそ、お互いに一番良い解決方法を導くために会話をして難を逃れたとも言えます。
サプリメントは医薬品ではありません。誰でも購入できます。誰でも販売できます。
知識のないものが販売したら、機械的な販売になったら・・・どうなったのでしょうか。


最期に彼女は「いろいろとご親切にありがとう。来月肝臓の検査の結果が出たら、また必ずここへ来ますね。」と声をかけて帰っていかれました。

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