薬剤師を楽しもう!

最近の学術大会のお話

なんだか急に涼しくなり、秋が来たなあ、と思える10月。
1日、2日と神戸にて「医療薬学会」が行われました。

昔はね、病院勤務の薬剤師さんの学会。って感じだったのですが、最近は保険薬局の方々も発表をされており、かなり見ごたえのある学会になっています。

今回、特に感じたのが、ワークショップの多さ。
ワークショップは、通常のシンポジウムなどと違って、実際に参加者が体と頭を動かして行うことができます。一方的に話を聞くだけのものとは違って、参加する私たちは考えたり手を動かしたりせねばなりません。

今回、私もワークショップに2本参加してきました。
一つはPIPCという内科医が精神科疾患の診かたができるようになる教育訓練システムの一部を使って、薬剤師が精神科疾患をひろいあげられるようなツールのトレーニング。
何度も隣の方とジャンケンをして、実際のツールを使った実践をしたので、隣の薬剤師さんとすっかり意気投合してしまいました。名刺交換もして、今度もどこかで会いましょう!なんて盛り上がってきました。

もう一つのワークショップは、褥瘡の局所外用治療の実際。
これからは在宅にも必要となる技術の一つです。
本当の薬やドレッシングテープを使用して、臀部にできた褥瘡の模型の治療を行います。一つのテーブルに6名程度で行うので、自然とみんなで声がでます。「先生、どうやってたっけ?」「こうやったらいいんじゃない?」「ここを押さえるとうまく行きそうだよ!」
褥瘡は薬剤師という薬物治療の専門家の知識をいかすことが最もできやすいものの一つです。軟膏の硬さの違いや使用する薬物が吸水なのか補水なのかの正しい理解によって、治療の完成度が変わってくるからです。
講義の先生が見せてくださったビデオでは、本当に栄養状態の悪い患者さんの褥瘡がぐんぐん治癒していきました。すごい。薬剤師としてまだまだ未熟で学ぶことが一杯あるんだなあ、と素直に感動して帰ってきました。

その他、シンポジウムにしても、ただ聞かせて帰すだけではなく、様々な工夫をして私たち聞く側をその気にさせてくれていました。

このような学会は、実は学会員でなくても参加可能です。参加費はちょっと高めです・・が、普段できないような体験がさせてもらえて、知見を得ることができて、その上友人が増えます。ポスターで自分が興味のあるところにいけば、直に話を聞くことができ、名刺交換させていただけます。

それにしても、今回の医療薬学会は本当にお得だったーー。

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