薬剤師を楽しもう!

理想の薬剤師ってなんでしょう?

友人の薬剤師数人との忘年会での話題です。
「ある薬剤師の意見として、理想の薬局長は『投薬しない』ことだ。って言われたんだよね。それっておかしくない?」

ちょっと想像してみました。
きっとその方の頭の中では、大きな薬局の、たくさんのカウンターがあるんでしょう。その中でたくさん薬剤師がたくさんの患者さんに投薬をしている。薬剤師たちはとてもキビキビと働いていて、患者さんとの会話も弾んでいる。スムーズで特に問題なく理想の投薬が進んで行く。それを見ながら薬局長は「次に薬剤師さんに学んでもらうのは、どんな勉強会がいいかな?」と考え、企画している。
・・こう書くと確かにこの薬局はある種の理想を表しているかもしれません。

では、なぜ私の友人はおかしい!と感じたのでしょう。

あまりに現実とかけ離れているからではないでしょうか。実際に「理想の投薬」って何でしょう。といって、「こういう事です!実際に毎日行っています」とはっきり答えられる方など、私の知っている限りお見受けしません。みんなが少しずつ患者さんのための「理想の投薬」を試行錯誤している。今はまだそういう時期だと思います。特に薬局を代表する薬局長ともなれば、理想の投薬=理想のお店作りと同じことですから、そんな理想を追求する人が、投薬をしない。試行錯誤をしない。などは現実に出来るはずもありません。あまりに絵に描いた餅すぎたので、おかしいと感じたのだと思います。


私にも理想の薬局、理想の薬剤師像があります。簡単にいえば「患者さんと何となく楽しい空間を共有できる薬局」です。あれやらないといけない、これしないとダメ。実際に法律や薬学的見地からの規制はありますが、そうでないところは患者さんに合わせて、患者さんがリラックスできる、あまりきつくない空間にできたらいいなあと思いながら、毎日仕事しています。


理想というわけではないですが・・・海外では薬剤師という職業をどのように紹介しているのでしょうか?ちょっと自分の理想の薬剤師像を考えるヒントはないでしょうか?


一つ他国のサイトを覗いてみましょう。カナダ薬剤師会The Canadian Pharmacists Associationのサイトがあります。
そこに学生向けの「薬剤師になるには?How to become a pharmacist」というコーナーがあります。
http://www.pharmacists.ca/content/about_cpha/about_pharmacy_in_can/how_to_become/index.cfm
一部分を抜粋してみましょう。



薬剤師て何をする人なの?

もしもあなたが薬局でのキャリアについて問うているのなら、この質問に対する答えは非常に重要です。一般的にほとんどの人は薬剤師が錠剤とカプセルを数えて、それらの顧客に助言を与えて、薬局のカウンターの後ろで日々を過ごすと信じているでしょう。
しかし、ここ数年から現在に至るまでの薬局での実務は、患者に対して行うすべてのことへ焦点があてられつつあります。
今日の薬剤師は、患者のニーズは何か、また、これらのニーズを満たすためにどんな注意を提供しなければならないかを患者とともに考えることを目指しています。これは「ファーマシューティカルケア」と呼ばれます。また、それは薬物治療に関連する問題を識別し、解決し、防ぐことにすべて関係しています。
言いかえれば、薬剤師は、薬の最適の使用に責任を負う専門家として社会に役立ちます。これは、薬剤師の主要な責任が個々の患者にあることを意味します。ファーマシューティカルケアの究極のゴールは個々の患者のクオリティー・オブ・ライフを改善することです。これは、患者と患者が彼らの希望のクオリティー・オブ・ライフに到達し次に、それらのニーズを満たすのを妨げている薬に関連するいずれかのニーズが存在するかどうか判断するために仕事をすることにより達成されます。

薬剤師は、プロとしての成長を続けることと、薬学職業?(薬学会?)としての成長をコミットメントしています。一旦あなたが大学を卒業しても、教育は止まりません。薬剤師であることはあなたの教育の継続およびあなたの既存の知識ベースへの寄与に対する一生の約束をすることを意味します。
新しい治療、新しい薬、それにともなう既存の薬の数はまったく爆発的に増えています。この絶えず変化する業界においてついていくことは大変な仕事であり、それに専心しなければならないでしょう。

また、薬剤師は、さらに大規模に、カナダ人が最良の可能な薬物治療を受け取ることを保証せねばなりません。これは、州レベルあるいは政府レベルの健康な公共政策、あるいは、肺協会?あるいは糖尿病協会のような地方のサポートグループによって、それらの薬物治療に関して患者と話をすることのようなコミュニティー支援によって達成されるかもしれません。

良い薬剤師になるには、どんな特性が必要?

薬学での経歴を考えている学生は第一に、人々を助けることに興味を持っていなければなりません。
* 優れたコミュニケーション技能を必要とします。また、創造的で有効な方法で問題を解決する能力がなければなりません。
* 喜んでアクションに対する責任を取らなければなりません - 公の健康はあなたに依存します!
* あなたの患者へのあなたの献身は、あなたが「9時5時の」姿勢を持っていないことを意味します - 患者がまず(何かあった時に最初に)薬局を訪ねてくるということの意味を考えなければなりません。

薬剤師であることに対する報酬は何ですか。

薬学は人間指向の職業です。
また、その主たる報酬は知識によって誰かを助けたーしばしば苦しんでいる人であったり、医薬品の誤用で危険かもしれない人であったりーことで与えられます。また他の報酬は、他の保健専門家ー他の薬剤師や、ビジネスか院内薬局を管理する機会ーによって与えられるでしょう。


例によって、翻訳サイトに手伝ってもらっての訳ですので、かなりぎこちないですが、言いたいことは何となく分かりました。
これを読んで私はまず「なーんだ。日本でもカナダでも考えていることは、あまり変わりないんだね。」と感じました。特に良い薬剤師・・のくだりは、そのまま日本でも通用します。カナダ薬剤師会の言葉に関して、何を感じましたか?


さて、あなたの理想の薬局はどんなものでしょうか?あなたの理想とする薬剤師像は?
年頭にちょっとだけ考えてみたらどうでしょう?それに向かって毎日仕事をするだけで、違った一年になるかもしれませんね。

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