薬剤師を楽しもう!

ワークショップに参加してきました

この1、2月には、医療論文を読むための勉強会、ワークショップが何本か開催され、そのうちのいくつかには参加してきました。

医師も看護師も薬剤師も、他の医療スタッフも一緒に一つの論文を読み、討議する。
日常の場でも、そういった経験はあるのでしょうが、その時にはどうしても目の前の患者さんに関する制約がつきものです。が、ワークショップにはそれがありません。もちろん、この論文が本当に自分の患者さんに適応できるかどうか?は真剣に考えますが、その真剣に考えた結果の答えは、いくらでも討論できるわけです。自分の意見が間違っていると思えば訂正すればいいのですから。こういった場で、自分の意見をまとめることは、実際の現場においても、大変役に立つと思われますよ。


さて、今回のワークショップでは「N95マスクとサージカルマスクは、同じくらいの効果なのか?」という論文に関して議論しました。

論文というのは、実はその吟味する内容によって、数種類に分かれます。

一つは、診断に関する論文。検査の結果を考えます。
もう一つは害や病因に関する論文。コホート研究と呼ばれるものです。
次に、生命予後に関する論文。経済評価に関する論文。
そして、治療に関する論文。そしてそれらをまとめた研究。

特に薬に関して私たちが目にする論文は、治療に関する論文が多いでしょう。その次が、害や病因に関する論文でしょうか。今回のワークショップの論文も、治療に関する論文ということができました。

もしも、医療論文がちゃんと読みたいなあーと思われる方は、まずはこの「治療に関する論文」から読まれることをおすすめします。インターネット上にもこのような論文はたくさんありますし、読み方のルールを示したサイトも最近は増えてきました。
もう一つ、この治療に関する論文を読む、ことを勧める理由があります。
このような論文を読むと、その行われている治療に対してとても詳しく状況が書いてあることが分かると思います。良い論文を読むと、世界の良い医者が、その疾病治療に対して何を行っているか、どのように考えているかが本当によく分かります。
ちなみに、先のマスクに関する論文。マスクの正しい装着方法について詳しく書いてありました。
なかなかこのようなことを聞く機会は、本来少ないのですが、論文をきちんと読むことで、正しい治療に関する情報が自分の中で増えていきます。

最初は時間もかかるし、英語を読むのは面倒くさいし。。。と感じるかもしれません。
実はそのためのワークショップでもあります。一人で勉強しても、すぐあきらめてしまうでしょうが、数人で読み始めると、何とか乗り切ってしまえますし、一緒にやっている仲間の存在も確かめることができるものです。

近くでもしワークショップが開催されることがありましたら、参加してはいかがでしょうか?

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