皆さんの施設は長期実務実習生を受け入れますか?
私はただ今、コアカリキュラムと格闘しながらテキスト作成中で、頭がうにうに状態です・・・・・。
そんな中、
P511 日用品の含まれる化学物質の危険性を列挙し、わかりやすく説明できる
P512 誤飲、誤食による中毒および食中毒に対して適切なアドバイスができる
という到達目標がありました。
地域の薬局薬剤師として、顧客の誤飲のアクシデントに対して適切に対処法をお伝えするのは大切な役割の一つです。
というわけで今回は「ぎゃ!飲んでしまった!食べてしまった!」編です。
あわてて吐かしてしまいそうになりますが、吐かしてはいけないものは沢山あります。
例えば、石油製品(マニュキュア、除光液、液体殺虫剤等)は吐かして気管に入ってしまうと、
肺炎を起こしてしまいます、
特に粘度が低いものは気管に入りやすいので要注意です。
舐めた程度なら様子を見ますが、大量に誤飲した場合は胃洗浄、吸着剤、下剤の投与が必要となるのですぐに受診が必要です。
酸性、アルカリ性の洗剤は飲んでしまうと、口の中、喉、食道、胃とただれます。
それを吐かすともう一回逆戻りで食道、喉を通すことになるので損傷が激しくなります。
この場合は口の中をすぐに洗い、牛乳、卵白などを与えます。
「牛乳を飲ませる」というのは一般の方でもよく耳にすることで
もちろん、誤飲してしまったものを薄めるためですが、牛乳を絶対に飲んではいけないものもありますので、慌てず正確な知識を顧客に話をしなければいけません。
防虫剤の樟脳(しょうのう)
これは吐かすと痙攣を誘発するので吐かしてはいけません、牛乳も飲ませてはいけません。
少しでも食べてしまってたら受診が必要です。
樟脳だけでなく他の防虫剤(ナフタリン、パラジクロルベンゼン等)も牛乳を飲ませると牛乳の脂肪分に成分がとけて体内吸収を速めてしまいます。
パラジクロルベンゼンに関しては舐めた程度、かけら程度の誤飲であれば、水を飲ませ(吐けるようならば吐かす)様子を見ます。
ナフタリンは舐めた程度では水を飲ませ様子見ですが、かけらでも食べてしまっている場合は水で吐かしてすぐ受診です。
とりあえず、家で様子見程度で対応できる場合でも、誤飲後2時間は牛乳や脂肪食、油は摂取しないようにしてください。
タバコは幼児に多くある誤飲物質の一つです
これも、牛乳や水を飲ませるとニコチン成分が水分に溶けて体内に吸収されやすくなりますので、だめです。
たばこの場合は誤飲の様子を聞く必要があります。
乾燥した状態のタバコそのものを食べた場合と、タバコを水の入った空き缶にいれてそれをのんだり食べたりした場合ではニコチンの溶けだす量が全然違います。
乾燥したタバコを少しかじった位で後吐くことができたなら、様子をみましょう。
乾燥したものでも大量に食べた時やニコチン浸出液の場合は即受診です。
誤飲は項目を言いだしたらきりがないですが
(財)日本中毒情報センターのHPをご覧になってください。
詳しく書いています。
例えば、牛乳飲むって言いますがどれくらい飲むの?って、ふと疑問が浮かびます。
「120~240mL、幼児なら15mL/㎏以下」と記載されています。
体内動態も記載されているのでその後どれくらい様子を見ればよいのかもわかります。
例えば、タバコのニコチンと代謝物は大量摂取でも16~24時間以内に尿中に完全に排泄される、と記載されているので、丸1日様子をみて大丈夫だったら安心とかわかりますよね。
「使い捨てカイロ」とか「保冷剤」って大量じゃなければ大丈夫なんだ、とか。
「スライム」「花火」なんて項目もありました。
調べるツールを持っていることも薬剤師として重要ですので
是非ご覧になってください。
笑えない本当の話。
前回チラっと書きました痴呆症の義母ですが、
父から「作ったホウ酸団子が1個足らん・・・・」と!!(←老人会で作り方を学んだので早速手作りしたらしいです)
母が食べたかどうかわかりませんが、結局様子見で症状は出ず、ほっとしましたが。
「ゴキブリは早くて手だせないけど、団子は食べるから絶対置いちゃだめ!」と注意しておきました・・・。
幼児だけでなく、認知症の高齢者に対しても誤飲させないような注意を周りの者がちゃんとしなければいけませんね。