高齢化が進むにつれ、認知症の人口も2025年には300万人を
超えると言われています。
認知症の原因は色々ありますが、多くは脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症です。
脳血管性認知症は脳の血管に異常がおきた結果、認知症になりますが、
アルツハイマー型認知症は脳の細胞が変性し消失することで進行します。
その特徴的な脳の変化は
(1)大脳皮質の著しい萎縮
→成人では通常1400gほどの脳の重さが発症後10年たつと800~900g以下に。
(2)神経伝達物質の異常
→アセチルコリンの減少(その他、ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリン等)
(3)老人班、神経原線維変化、神経細胞の脱落
原因は様々な説がありますが、
その中のひとつに「βアミロイド説」があります。
脳の中にβアミロイドという物質が蓄積すると
神経細胞を変化させていき、脳萎縮を進行させるといわれています。
このβアミロイドですが、痴呆症状が出現する10~20年以上前から蓄積するらしいです。
健常人でも合成、分泌されていますが酵素によって分解されます。
けれど、加齢など何らかの原因で酵素の分解が追い付かないと
どんどん委縮が進み症状がでます。
現在、脳の中のβアミロイドをPETで計測する「アミロイドイメージング」という
検査方法があります。
症状が出る前にこの検査でβアミロイドの蓄積が認められたら
認知症になる可能性があるということになります
アミロイドが蓄積していなくても認知症にならない人もいるので
「絶対なる」というわけではありません。
ここで薬のお話
今現在アルツハイマー型認知症に使用されているのは、皆さんよくご存じのアリセプトです
これは細胞の委縮や変異をとめるのではなく、そのことによって減る神経伝達物質を補充するものです。
ですから、根本治療にはもちろんなりません。
海外ではほかのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤もありますが
今、開発中の新しい作用の薬は、坑βアミロイド抗体 、βセクレターゼ阻害剤、γセクレターゼ阻害剤など色々あります、それぞれ商品化までにはまだかかりそうです。
とりあえず、認知症?ただの物忘れ?と感じた場合は
PETまでいかず、よく使用される診断ツールが
「改定長谷川式知能評価スケール」です。
これは、被験者への口頭質問より、短期記憶、見当式、記名力など点数で評価できます。
ネットですぐ問題は検索できますので、ご覧になってください。
30点満点で20点以下が痴呆の疑いになります。
意思疎通が難しい被験者にはN式老年者用精神状態尺度というものもあり、こちらも
点数で判断できます。
さて、私事ですが義理母は立派なアルツハイマーです。
2年ほど前から症状が出始めました。
他府県に別居中ですが、デイケアやショートステイを組み合わせて
義理父が面倒を見ています。
私も介護に行きますが、実際に目の前にいると、びっくり仰天のことが一杯!
義理母のリアル行動報告。
☆まず、家族を忘れていった順
私(嫁)→孫→子供の順。
あれっ?一番新しい記憶から忘れるんじゃなかった?
ここで、後で生まれた孫より先に知り合った私(嫁)を忘れているのは血のつながりの無さ?!
☆アリセプトDについて
朝1錠飲んで「あんたもいるか?」と・・・・・・
全くラムネ扱いです。美味しいOD錠は考えものデス・・・。
☆なぜか計算が大好き。
小学生低学年のドリルを渡すと必死に解きます。しかも正解!
ですが、「疲れる」という感覚がないのか、5、6時間ぶっ通しで繰り返し問題を解きます・・・・・。
☆とても役立つ同じ行動を繰り返すのを発見。
それは、軍手についたごみやセーターの毛玉を、まるでお猿さんのノミとりのように
熱心にします。う~ん、これは役に立つ!
しかしお正月に暖かそうなモヘア(毛がふわ~っとなってる)のセーターをきせたら
引っ張っても引っ張っても繊維がとれるので、ずーっとひっぱり続けてました~!!失敗!
☆満腹感は全くなく、食べるものがあればずっと食べているので、ついに台所にはカギがかけられました。
☆ほとんど、自発会話もなく、記憶はゼロですが、
ある日家族5人でトランプの順番を決めるのに「最初はグー!じゃんけんホイ!」
としていると、5人のはずが手が6つ・・・・、昔の反射神経で?
「最初はグー!」で反応し、なぜかじゃんけんだけいつも参加です。
まだまだかわいいおばあちゃんです。