おぎゃ~と生まれ、一生終えるまでに大部分の人はEBウイルスに感染するそうです。
ん?そんなのかかったけ?
とお思いの方。きっと小さい時に感染し無症状のままか軽い風邪のような症状で終わっています。
「EBウイルス」エプスタイン‐バーウイルスはヘルペスウイルスの仲間です。
日本では乳幼児期に初感染することが多く、
2~3歳児のEBウイルス抗体保有率は80%くらいで、
前述のように気づかないまま感染がすんでいる場合が多いです。
けれど、これが思春期以降初めて感染した場合は「伝染性単核症」になる場合があります。
感染経路は主に唾液などの経口感染です。
潜伏期は1カ月前後、
症状は風邪のように、発熱、のどの痛み、リンパの腫れ、疲労感。
疲れたな~というのが数日続きその後発熱が数日~数週間でだんだん下がってきます。
診断は血液検査で抗体を調べます。
特別な治療法はありませんが、熱に対して解熱剤、
のどの痛みに対して非ステロイド抗炎症剤で緩和させます。
ウイルスだから抗ウイルス剤は?と思いましたが、今のところ効く抗ウイルス剤はないそうです。
二次感染防止に抗生剤を使用するときペニシリン系はさけたほうが良いらしく、
発疹を誘発することがあるそうです。
肝数値も一時的に悪化しますが、自然に元に戻る場合も多く、
ひどい場合は肝庇護薬を用いることもあります。
とりあえず安静が一番ですね。
脾臓が腫れる場合もあるので、万が一臓器破裂にならなりように、
体がぶつかるスポーツなどは、発症後2か月ほどさけたほうがよいそうです。
さて、これでウイルスはなくなるのか、というとそうではありません。
ヘルペスウイルスの仲間ですから、ヘルペス同様体の中で潜伏しています。
再活性化したときでもほとんど症状なしで終わるのですが
中には慢性的に症状が続く場合があり、「慢性活動性EBウイルス感染症」になります。
こちらは、様々な症状を呈することがあり、発疹や発熱・貧血・肝障害・血小板減少・皮膚症状などが現れ、最終的に多機能不全を起こすこともあり、
こうなると予後不良なので注意が必要です。
慢性EBウイルスに感染している人約1/3に「蚊アレルギー」の症状がでるので、
蚊にかまれたとき、凄く腫れたり、ただれたりしますので、これも一つの特徴です。
ともかく、普通の風邪じゃないな、と感じたときは受診することですね。