薬剤師を楽しもう!

きれいな魚にはトゲがある?

「非定型抗酸菌症」

あまり聞きなれない言葉ですが、抗酸菌の代表は結核菌。
それが「定型」でそれ以外が「非定型」と総称され、数十種類あるとか。
最近では「非結核性抗酸菌症」と呼ばれているそうです。

どこにいるのか?って土壌や水の中、埃の中等どこにでもいる菌です。
結核と違って弱い菌なので、よっぽど抵抗力が弱ってないかぎり人から人には感染しません。
肺で発病すると最初は自覚症状がなくその後、咳・たん・微熱・息切れなどの症状がでますが、もともとどこにでもいる菌なので診断も難しいとか。
治療は抗結核薬の多剤併用やマクロライド、ニューキノロンの抗生物質の投与です。

この中から最近ある生き物から感染する例をご紹介します。
ここ数年ブームで、どの家でも気楽に飼いやすく、きれいな色で癒される、
そう、「熱帯魚」!

熱帯魚を飼った事のある人はおわかりでしょうが、水槽のおそうじをマメにしてぴかぴかにするときれいに見えるし、光を工夫したり水草の配置をかえてみたり、いろいろ楽しいみたいですね。

非定型抗酸菌の一種が海水魚等に感性した場合、水槽のなかで菌を排出し続け水槽内の壁や水中に菌が付着するそうです。(うわ~凄い菌数いそう・・・・)
それがお手入れ中の手の小さな傷から入り込み感染します。

実際に感染した人の話によると、最初指の関節部分が痛くなり曲げにくくなったので病院に行くと「使い痛み」や「ばね指」の診断でシップして放っておいたそうである日突然、指がパンパンに腫れたと思ったらどんどん上がって、手首のブレスレットがのめりこむ位急激に腫れたそうです。

たまたま整形の病院に専門医のドクターがいてそこでやっと「非定型抗酸菌症」の診断。
結局処置が遅かったので手首を切開し、膿をだしたりして、12針縫いました。

なかなか皮膚の感染は珍しく、的確な判断がすぐできないらしいです。
海水魚などから感染するので別名「プール肉芽腫」と言われ、水族館や熱帯魚を扱っている人に多いです。

熱帯魚ファンの皆様、ゴム手袋必須ですね。

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