薬剤師を楽しもう!

特定保健用食品

10年前、「ホワイトニング・美白」という言葉に魅了され、
5年前、「コラーゲン」と聞けば買いあさり、
今は「アンチエイジング」と言われると食らい付き、
5年後、体のあちこちにガタがくれば「トクホ」に飛びつく私かしら・・・・・(笑)

『健康食品』というあいまいな表示で世間には多くの食品が出回っています。
2005年に東京都が実施した健康食品の表示についての調査によると、店舗販売、ネット販売も含め
157品目の抜き打ち調査のうちなんと!139品目(88%)で法令違反が見つかりました。
何、この数字!?って感じですよね。
そこで、やっぱり「トクホ」の出番。

国で認められている規格には、「医薬品」「医薬部外品」「特定保健用食品」「栄養機能食品」「特別用途食品」があります。
何が違うかと言うと、まず関連する法律が違います。
前者2つは薬事法で、後者3つは、健康増進法と食品衛生法です。
「特定保健用食品」とは、身体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含んでいて、
「お腹の調子を整える」など、特定の保健の目的が期待できることを表示できる食品です。
申請にあたっては作用機序を明確にし、安全性・有効性が証明され、
その効果が当該食品を用いてヒト試験で科学的に証明され、無作為化比較試験で危険度5%以下等、
様々な規定があります。

「トクホ」は、その食品ごとに国の許可を受けなければいけませんので、すでに許可を受けている食品と同じ成分を含んでいても、同じ保健の効果を表示することはできません。

ただし、平成17年からは許可件数が多く、科学的根拠が蓄積された成分のものは、規格基準検査のみで、手続きが迅速化できるようになりました。

さらに、関与成分の摂取による疾病リスク低減を表示できるものもあります。

今のところ「女性の葉酸摂取と神経管閉鎖障害を持つ子供が生まれるリスクの関係」と「若い女性のカルシウム摂取と将来の骨粗鬆症になるリスクの関係」の2つです。
・・・・・『若い女性』ってところが気に入らない。
私は対象外ってことね(涙)

個人的見解はさておき、主なトクホ成分を並べると、

お腹の調子を整えるのは、オリゴ糖、ビフィズス菌、各種乳酸菌等
血糖値関係は、難消化性デキストリン、グアバ葉ポリフェノール等
血圧関係は、ラクトトリペプチド、杜仲葉配糖体等
コレステロール関係は、大豆たんぱく質、キトサン等
骨関係は、大豆イソフラボン、乳塩基性たんぱく質等
歯もあります、パラチノース、エリスリトール等

他にも沢山あります。

ところで、トクホの「人がバンザイしたようなマーク」に、「条件付き」と表示されているのを見たことがありますか?平成17年度からの創設で現行のトクホほど科学的根拠レベルには届かないけれども、一定の有効性が確認されているもので、作用機序が明確でなくても、無作為化比較試験で危険度が10%以下ならば認可されます。
しかし安全性については、トクホと同じレベルで科学的に証明されてなければいけません。

トクホは、承認されてもすぐに商品化されなかったり、発売されても市場動向により販売中止になる製品も多々あるので、現在も販売され続けているのは、全体の20~25%程だそうです。

平成19年8月23日現在、701品目あります。

これからどんどん増えてくると、トクホしか置いていない『トクホ専門店』なんていいかもしれませんね。
・・・・・間違いなく「お得意様」になっていると思います。(笑)

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