日本の関節リウマチの有病率は0.4~0.5%と言われています。
発症後の骨の破壊は、最初の2年間が急激で40%、そこからなだらかなカーブ描くそうです。
その事をふまえ、昔のようにマイルドな薬からの治療法とは変わって、最近はシャープに効く薬を最初から使って、早期の骨破壊を防ぐ治療法が主になってきています。
リウマトレックスに関しては、投薬時、
「このお薬、報道でみたけど、沢山亡くなっているんでしょ?」と聞かれることが多いです。
副作用については、もちろんDrが血液検査しているので、そこで異常数値が上がって見つかる事と、副作用発現時、早期に適切な処置をすれば重篤化になりにくい事をきっちり説明し、見逃してはいけない初期症状をお伝えしています。
特にリウマトレックスの間質性肺炎に関しては、用量依存ではないので、少量の処方の場合でも、空咳等の初期症状は伝えておくべきだと思います。
先日、某新聞にも記事が掲載されていましたが、関節の変形や骨破壊進行停止を目指した治療薬が開発されています。
リウマチに関しては免疫学的に様々な事が解明されてきています。
本来、外的から体を守るべきサイトカインが何らかの理由で増え、自分の体に攻撃してくると。
特に注目されているのが、「IL-6」というサイトカインです。
この阻害薬が近年発売されました(商品名:アクテムラ)。
但し適応は今のところ、キャッスルマン病のみですが、関節リウマチの適応拡大を申請中だそうです。
すでに生物学的製剤では、同じくサイトカインのTNFに関する薬、「レミケード」と「エンブレル」が発売されています。このような点滴、注射類は病院に勤めない限り疎遠になりがちですが、この治療をしながら調剤薬局に処方箋を持ってくる患者様もいらっしゃるので、覚えておく必要もあると思います。
これらの生物学的製剤はシャープに効く変わりに副作用とも付き合って治療しなければいけないので、
処方されているお薬が副作用に対するお薬だったりします。
私の場合、前述のキャッスルマン病に関しては、降圧剤単剤の処方箋をお持ちになられ、
「キャッスルマン病の治療薬の副作用で血圧上がってきたかもって、先生に言われてね」
「・・・・・!?、すみません、勉強不足で。「キャッスルマン病」ってなんですか!?どういう症状なんですか??????」
と、患者さんに食らい付いて聞いたのが、知り始めでした。
不幸にも(?)薬剤師に逆質問された、患者様のご家族はご親切に色々教えてくださったのです。
●キャッスルマン病
リンパ管の中のリンパ節が腫れて、そこからIL-6が作られ、生体内で様々な炎症を引き起こす。
1つのリンパ節のみ腫れる限局型と多数腫れる多発型とある。
限局型は手術でそこを取り除けばOKだが、多発型は多量にIL-6が作られ、
発熱や発疹等の症状以外にも、臨床検査値にことごとく異常数値がでる。
(参考HP 中外製薬 アクテムラについて)
前述の他にも、生物学的製剤が開発され治験されています。
リウマチ患者さんのQOLが劇的に上がることを期待します。
・・・・・でも、薬価聞いて目が飛び出ました・・・・・どれも凄い高価です。