薬剤師を楽しもう!

ほんとにも~、ピロリ菌ったら・・・・・

「拝啓、ピロリ菌様。あなたは一体いくつの疾患にかかわっているのですか?」

と言いたいくらい、ピロリ菌は体中の疾患にかかわっています。
大体、昔は胃潰瘍の原因が「菌」だなんて、想像もつかなかった事です。
なんでも消毒と言えば酸なのに、胃酸があっても上手く生き残る最強菌!
自分で飲んで証明したマーシャル博士は偉い!さぞかし強烈な急性胃炎だったことでしょう。

ピロリ菌除去することで治療効果があると思われる疾患、一気に並べて見ると、
・突発性血小板減少性紫斑病(ITP)・鉄欠乏性貧血・慢性蕁麻疹・関節リウマチ・
肝性脳症・虚血性心疾患・片頭痛・膠原病・円形脱毛症・糖尿病・自己免疫疾患・乾癬・
末端肥大症・気管支拡張症・骨粗鬆症・・・・・・あ~疲れた。
書ききれません。

明らかに除菌することで改善する疾患もあれば、「疑い」レベルのもありますが、さすがノーベル賞とるだけの最強菌、てわけですね。

ITPは明らかな基礎疾患がないのに血小板破壊が亢進する疾患で、厚生労働省の研究班の調査では、ITP患者のうちピロリ菌除菌成功例139例中89例(64%)で血小板が増加したそうです。
鉄欠乏性貧血では、鉄剤の服用であまり改善が見られなかった人のピロリ菌を除菌することで効果があるという報告もあります。

これは鉄がピロリ菌の成長に必要な為影響があるのではないかと言われています。
免疫疾患に対しては、ピロリ菌の持続感染が免疫系に何らかの影響があるのでは?との見解もあり、
他の疾患でも色々とデーターはありますが、機序については解明されていないのも多くあります。

3剤投与による除菌によって耐性菌の増加や除菌後の逆流性食道炎の発症、除菌中の副作用の問題もあるし、なんか効果ある食べ物とかあるの?となると、
また一気に並べます。

・ヨーグルト(LG21)・ココア・茶カテキン・プロポリス・梅肉エキス・ブロッコリー・米エキス・コーヒー・シナモン・・・・・・またきりがない。

これらは実験で効果があったというちゃんとしたデーターもありますが、その効果も大なり小なりです。
あまりこの食べ物がいい!と言うと、お昼の番組の○○△んたさんになってしまうので、
ここまでにしておきます(笑)

感染ルートも、ご存知の経口感染(特に小児期)以外にも、糞便による感染、上水道説、ゴキブリが運んでくる?説等など、様々な原因が言われていて、何を注意すればいいのか情報が錯綜しています。
なにかいい役割もあるのでは?と最近は除菌しなくてもいい、という意見もありますね。

まとめてみると、
ピロリ菌は最強菌であり、最大数の謎をもった菌
「へっ、へっ、調べてみてくれたまえ諸君!」と笑っているピロリ菌です。

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