薬剤師を楽しもう!

ロタのワクチン登場!

グラクソ・スミスクラインから11月21日にロタウイルスに対するワクチン
『ロタリックス内用液』が発売されます。

ロタと聞けば
『白い便』
『すぐ感染する』
『幼稚園や保育園で流行する』
『治す薬はない』
『子供はぐったり』
『・・・母、大変だ』・・・・衛生管理ができている日本ではそんなイメージでしょうか。

『死亡』という言葉が直結しない疾患のように思いますが
世界ではアフリカ、インド等発展途上国を中心に約61万人が死亡している感染症です。

日本での推定発生数ですが
毎年120万人、そのうち8万人近くが入院しています
そして 死亡例も10~20人いらっしゃいます。


実は、脳炎・脳症を発症するリスクは
インフルエンザ・HHV-6、7に次いで第3位
おたふくより多いのです。

また、発症年令によっては稀ですが腸重積のリスクもあります。

ロタウイルスの感染力は強く、感染者の便には
1gあたり数億~数兆個のウイルスがいます。
ほんの数個体内に入るだけで感染します。

5歳までに95%の子供が感染し
潜伏期は0.5日~4日
症状は、白っぽい便、嘔吐、発熱、腹痛など
下痢嘔吐が止まらないので脱水にもなりやすいです
時期は2~5月が多発期です。

感染を2回するとほぼ免疫はつき、それ以降感染したとしても重症化はまれと思われています。

ロタワクチンに関しては、既に100カ国以上で発売されており
いよいよ日本発売になったわけです。

遅い・・・
日本って小児科領域、ワクチン領域は遅れているんですよね。
確かに、発展途上国の発症率を見れば、緊急性が薄いからかもしれませんが。

ロタリックスは生ワクチンで、ポリオのように、飲むタイプです。
ロタウイルスには多くのウイルスの型があります。4
ロタリックスはそのうち1つのロタウイルスを弱毒化したものですが
交差免疫によって感染しやすいほかの型にも有効であるということです。

接種時期は生後6週~24週
2回目の接種は1回目の接種から4週間以上あける
遅くとも生後24週までには接種を完了させること。


これは昔、最初に発売されたロタシールドというワクチンが
腸重積という副反応が起こったこと、ロタ自然感染でも腸重積は生後6カ月以降に起こることなどを加味されて
ワクチンするなら腸重積の起こりにくい低月齢に接種するのがよい
という考えのようです。

2回接種で、2回自然感染を再現することになります。
かなり重症化を防げます。


お子さんをお持ちの方は経験がおありと思いますが、
ワクチン接種スケジュールって完璧に組んでも
風邪をひくと、ぐちゃぐちゃになるんですよね(涙)
調子のいい時を逃さないで打っていかないと、
お母さんたちは実はワクチンスケジュールに必死なのです。


さて、もう1社、MSDからも『ロタテック』というワクチンが数カ月後に発売予定です
こちらは5価ワクチンで3回接種です。

『ロタリックス内用液』お味は??

メイプル味。


接種は自費でワクチン1本10500円です。

何が何でも・・・吐き出さないでくれ!!と
念力を送りたくなるのは私だけでしょうか?(笑)

前の記事 : 学生実習中!
次の記事 : トラムセット