薬剤師を楽しもう!

シムビコートとの戦い・・・・・

ドライパウダー吸入式喘息治療配合剤
「シムビコート」
発売して1年です。
今更ながらですが、最近になって門前クリニックが処方しだしたので
改めて勉強しました。

ご存じの通り
吸入ステロイド薬ブテソニドと
長時間作用がたβー刺激薬ホルモテロールフマル酸塩水和物の合剤です。

気道の炎症と狭窄に対して作用するわけですが、
「ウリ」は?
肺全体に薬剤が到着しやすい粒子径であること。
中枢気道に沈着しやすい粒子径と末梢気道に沈着しやすい粒子径の
ちょうど中間の粒子径(2~3μm)で肺全体に到着、分布しやすいということです。

親水性も高いのでより肺細胞膜も通過しやすいです。

そして、ホルモテロールが速やかな効果発現を有するので
吸入数分後から効果が表れるといわれております。
日本では発作治療の対象薬にはなっていませんが、海外では発作に対しても承認されています。

それと、アドエアの大きさが携帯しにくいということで、小さくコンパクトにしたのも「ウリ」だとか。

そこで一言!
でもね・・・・・・使いにくい~~~~!

メーカーさん来るたびに文句言ってる私・・・・。

基本、吸入は
『右へクルッと回し、左へカチっと戻し、スーっと吸う』です。

まず、吸入前の準備
別冊子の説明では
「赤いグリップを左右に回して「カチっ」と3回鳴らしてください」

と「3回」の数字がデカデカと。

で、容器と一緒に添付されている説明書には
(1)赤色回転グリップを矢印の方向に「カチっ」となるまで回します
(2)「クルッ」「カチっ」の操作を2回繰り返します。

と「2回」の数字がデカデカと!


ん、ん、ん~~~????「2」?「3」?
合わせて三回?
念のため、メーカーに℡したところ

「(1)で1回、(2)で2回、足して3回です
・・・・・わかりにくくてすみません」

まず、別冊子と箱の中の説明書を同時に渡すと患者さんが混乱するので
別冊子のほうだけ渡すことにしました。

それでも、カチっていう音が小さくて陰気なため(笑)
何度もカチカチしたり、吸入の度に3回カチっとしたり、
すぐにカウンターがゼロになる患者さんがいらっしゃるので
最初、処方時に目の前で吸入前の3回カチャの準備をしてもらって
「これで最後まで吸入の度に一回クルッと、カチをすればいいですからね」
と3回カチの初期動作の絵のところを大きく「×」します。

さて、お次に・・・
どうして、カウンターついているのに残30回の次が0回なわけ?!
なにげに微妙~にカウンタがずれて行くのです。
アバウトすぎる…。せめて、30→20→10→0でしょ。
これも容器を小さくしたためだとか。

散々、わたくし文句を言っておりますが(メーカーさんには嫌われてるかも!!)

とってもいいお薬なのです~~~!!!!!
患者さんを通じて効果を実感しています☆
だから、どうにか使いやすくして欲しいのです。

それで、色々吸入補助のためのアイテムがあるので
ご紹介します。
「ぜんそく治療サポートパック」というのがあります。
喘息の知識やコントロールチェックシートのほかに
濃紺の布がついています。
上手く吸えているかどうか、この布を挟んで吸入して白い粉がついていれば
吸えているということです。
(シムビコートはアドエアよりも粉っぽくないので、特にアドエアからの変更の患者さんは、
吸った感があまりないそうです)

それから、「右」が先?「左」が先?って迷う患者さんがいらして
シムビコート本体自体には矢印もなにも記載はないんです。
それを言ったら(また文句・・・・・・笑)
「いいのがあります!」と
持ってきてくれたのが、シムビコートを垂直に立てる土台で

止まるまで ①→
音がなるまで ②→
と書いていて
シムビコートを突き刺して。①→②と書かれているとおりに土台をクルッと操作します。

お~、これはグッド!!左右どっちが先かよくわかる!

・・・・・しかし、①→②って下の付けた土台を回すのですが
上のシムビコート本体を①→②と回した人が・・・・
反対だ(涙)
しかも、この土台つけたら
せっかくのアドエアより「ウリ」のコンパクトさが!
変な形で大きくなっちゃった!


・・・・・・まだまだ、わたくしのシムビコートとの戦いは続くのでした。

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