薬剤師を楽しもう!

フォルテオ

骨粗鬆症治療薬と言えば

昔からの活性型ビタミンD3製剤・ビタミンK2製剤・カルシトニン製剤
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)など。
今の主流はビスフォスフォネート系薬剤の週一回製剤でしょうか。

コンプライアンス保てますしね、
毎日製剤と違って、飲み忘れたら
次の日でも、その次の日でも・・OK。
そしていつもの曜日に戻せるのも
確実に週1回のんでいただける要因です。


昨年10月に初めての皮下注製剤『フォルテオ』が販売されました。

「注射」というとまだまだ抵抗があるかもしれませんが
最近ではインシュリンの膵臓の疲弊を防ぐための早期導入や
リウマチの自己注射剤もあるので
以前よりは浸透してきましたでしょうか。

『フォルテオ』~テリパラチドは
ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)をもとに作られた遺伝子組み換え製剤です。
海外ではすでに2002年から使用されており、84カ国で承認されています。

1日1回20㎍を皮下注射です。
投与期間は18カ月まで(一生に)でしたが、
安全性が24カ月まで確認されたので、最近改訂されました。
やむを得ず一時中断したのち再投与は
総投与日数が24カ月をこえないこと。
まだ発売1年経っていませんが、一本28日分なので
例外で28日投与が認められてます。
「男性での安全性、有効性は確認されていない」となっていますが
これは、ただN数が少なかっただけのようです。


同じ骨粗鬆症治療薬との併用ですが
活性型ビタミンD3製剤は血清カルシウム値を上昇させる可能性がありますので併用注意です。
一応、添付文書上はSERMやBP製剤等との併用に関しては何も記載がありませんが、
単剤投与の方が併用よりも効果があると言う報告もあるため
まず、併用しないで経過を見てください、とメーカーは言っていました。


特徴は一言で言うと、骨芽細胞に働きかけ活性を促進する働きです。

今までの治療薬は、主に「破骨細胞」の数を減らしたり働きを止めることによって、
結果的に骨密度を増加させていますが、
PFTの間欠投与で骨芽細胞を刺激して、骨リモデリングを促進する作用があります。

もともと人がチビチビチビ・・・・と持続的にだしているPTHは
骨吸収を促進するのですが
バンバンバン!とそれを1日1回間欠投与することで
骨形成が促進されるそうです。
骨形成マーカーの上昇(1カ月で105%、6か月で218%)
腰椎BMDを18カ月で10.92%増加(フォルテオ資料より)


ですので、
効能効果は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者」となっています。
24カ月使用後は、BP製剤等に切り替え維持が望ましいそうです。


基本的な打ち方はインシュリンと同じですが
インシュリンと操作の違うところは
空打ちは開封後1回のみ(毎回しなくてよい)
保存は開封後も冷所保存(凍結をさける)
インシュリンのように用量調節は必要なくボタンを押して打つのみ


「フォルテオスーツケース」というのがありまして、
保冷機能付きキャリーバックで
説明書や使用法、電話サポートの案内など、
初回スターターセットになってますので説明もしやすく、
患者さんも安心して使用できます。


薬価が、案の定高い!
1キット、51871円也!!

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